捕虜大虐殺を断罪しにきた理想主義者の政!
それに対して一歩も引かない現実主義者の桓騎!
両者の対話バトルが開始!
一時は斬首を命じた政ですが、摩論の弁明と扈輒の首を取った功績を認めて最終的には桓騎を許すことにします!
中華統一のためには背に腹は代えられないということなのでしょう!
桓騎が犯した大虐殺の大きな責任から、頭蓋骨が並ぶ荒野の中で頭を抱えている政!
そんな政の元に現れたのが信です!
ここから二人の会話が始まろうとしています!
キングダム699話「首級の数」
この話を見てもらえると政と信の再会 そして二人の会話について分かると思うので最後まで見てってくださいね。
まずは本題に入る前にキングダム699話「首級の数」のストーリーについて紹介させてもらった後に、本題の考察に入っていきますね。
対話バトルは、まずは桓騎から仕掛けます。
テーブルに足を乗せたまま「侵略しかけてんのはお前だよな、つまり今この世で一番人を殺してんのはお前だぞ、秦王よ」と言い放つ桓騎。
そこに便乗したのが黒桜です。
黒桜までも桓騎に感化されて自分の国の王に対してお前呼ばわり。
権力者の政に対して、この態度。
度胸ありますね、黒桜さんも。
これに対して「黙れ」の一言で返す政。
「子供じみた屁理屈に付き合うつもりはない」と突き放し、捕虜大虐殺の話に的を絞ります。
桓騎は「戦の責任は全部オレで、お前は裁くだけかよ」と不満をあらわにします。
政は「戦を始めた手前、暴走したお前を裁くのも俺の責任だ、そしてもっと大きな責任は六国を全て滅ぼしてからの話だ」と話します。
桓騎は「正に血の王だ。お前に比べれば俺なんてかわいいもんだぜ」と皮肉って言います。
政は「それも承知の上だ、血を多く流す故に兵士の死と民・捕虜の死は強く線引きをせねばならない。我々は現六将から白起を出すわけにはいかない」と言います。
政は六将の中から白起を出すまいと考えているようです。
かつて前六将の白起は長平で趙の捕虜四十万人を生き埋めにしました。
この事件は中華を震え上がらせ、趙の人々が秦国を強く恨む要因となります。
その怨念を身をもって体験した政は、二度とあんな過ちは繰り返さないと考えているのでしょう。
政は幼少期の頃に不運にも趙で秦国の王族として生まれてしまいます。
そして趙の人々の長平の恨みは、政にも向けられることになります。
政はいつも趙の人たちからリンチを受けていました。
その結果、人格が破綻し、痛みさえ感じないような体になっていました。
しかし紫夏という商人との出会いによって、政は次第に人間性を取り戻すことができ今に繋がったのです。
桓騎の起こした大虐殺は、あの長平で起きた捕虜生き埋めを思い起こさせる悪行です。
なので中華統一を目指す秦国、引いては政にとっては、今やっている戦いの全てが無駄になってしまう恐れさえあったのです。
中華統一の話を聞いた桓騎は反発します。
なぜなら桓騎はよその土地に侵略を仕掛け、その上でその連中と一つになれるわけがないと考えているからです。
侵略するということはたくさんの死人が出ます。
しかも一か国だけではなく、中華統一には六国を滅ぼさなければなりません。
なので大きな恨みも生まれます。
そんな状態で「本当に一つになれるのか?」と桓騎は政に問いかけます。
政は真っ直ぐな目で「できる」と答えます。
侵略されて奪われた相手は、それを許したりはしないというのが騎桓の考えです。
雷土を殺された黒桜も同じ考えです。
なので現実的な考え方、一般的な考え方が桓騎で、政の考え方はこの当時では理想論であり異質な考え方だと言えそうです。
そして騎桓は冷酷な顔で「お前は人に期待しすぎだ秦王よ」と言い放ちます。
人間というものを信じていない桓騎は、政を呆れた理想主義者と見ていそうです。
これに対して政は臆することなく「それの何が悪い」と言います。
政は人に期待し信じるが故に最難にして最短の道を強引に走りぬけようとしている戦国の王であると認めます。
そして「お前みたいに何もせずに絶望など…」と言い、政はしばらく桓騎の顔を見つめます。
自分で言った絶望という言葉に何か引っかかっています。
桓騎の根底にある怒りの本質に気付いたのか?それとも怒りこそが政の人の本質は光という考えと、相反するということに気付いたのか?
この部分は奥が深そうなんですが、政が絶望という言葉から何を見出したのか解釈しにくいですねー。
理想主義の政と現実主義の桓騎の話は、どこまで行っても平行線です。
しかしながら政は騎桓をどうするか決めなければなりません。
一時は斬首を命じた政ですが、最終的には摩論の弁明と扈輒の首を取った功績を認めて桓騎を許すことにします。
しかも六将の剥奪もなしとしています。
これを許さなければならないのも中華統一のためには騎桓の力が必要だということなのでしょう。
しかし最後に政は「また同じことを繰り返せば問答無用で斬首する」とお灸を据えて立ち去ります。
これにて桓騎の起こした大虐殺は不問とされ、お咎めなしで終わることになります。
史記秦始皇本紀にはこう記されています。
秦の軍律には元々、戦場で取った首を褒賞に換える法がありました。
秦の年記に戦での敵の首級の数が残っているのはそのためと思われます。
しかし、この首の数は桓騎の十万斬首以降、記されることはなくなった。
とされています。
ショックなことが続き、頭蓋骨が並ぶ荒野の中で頭を抱えている政。
そんな時に政の元に信が現れます。
久々に再開した両者は、ここからどんな事を語り合うのでしょうか?
なので今回は政と信の再会 そして二人の会話について考察していきたいと思います。
会話
久しぶりに顔を合わた両者。
信が李信に改名し、将軍になって以来の再開です。
政は一人では受け止められないほどの、重い責任を抱えています。
もしかすると桓騎に言われた「今この世で一番人を殺してんのはお前だや、侵略された側は侵略した相手を許さない」などの言葉がショックだったのかもしれません。
いつもは冷静で堂々としている政ですが、政も人の子です。
迷ったり、困惑しても当然です。
そして大虐殺の責任。
落ち込みもするでしょう。
そんな状況の中で現れたの政の親友である信です。
なので落ち込んだいる政を今回は信が支える形になると推測します。
合従軍編の蕞の防衛戦では政に信はガッツリ助けられましたからね。
今回は逆で信が政を支えるのだと予想します。
これから今回の戦いで起きた出来事や、大虐殺や中華統一について、二人は語り合うのだと思います。
その中で政は真っ直ぐに成長する信の姿を見て、勇気をもらい、中華統一の決意を新たに強めるのだと推測します。
邯鄲の動き
軍総司令の扈輒を失った趙は、国の存亡の危機に直面しています。
扈輒がいない今、軍に指示を出せるのは郭開のみとなってしまいました。
今まで偉そうにしていた郭開も、余裕がありません。
かなり一杯一杯な様子です。
郭開が今まで使っていた戦略は、以前に李牧から聞いたものを遂行していたに過ぎません。
なので戦略という点から考えると、郭開は無能です。
李牧なき今では、ここから郭開が打てる戦略はなさそうです。
そもそも郭開は軍師ではありませんし、戦略を練れるようなタイプでもありません。
なので不測の事態には対応することがきません。
しかしながら現状は扈輒を失い、王都・邯鄲を守る城は平陽と武城の2つだけになってしまいました。
平陽と武城が落ちれば、残すは邯鄲のみです。
しかし郭開に打てる手はありません。
しかも秦軍から今の趙を守りきれる将軍もいてません。
現状邯鄲周辺で確認できる趙の将軍と言えば、公孫龍や守備の李白だけです。
これに対する秦軍は王翦、桓騎、楊端和などなどの強者ばかりです。
実力差があり過ぎて、勝負にもならなさそうです。
なので、どうしても李牧の呼び出しは必須と言えそうです。
背に腹は代えられない状況。
李牧を嫌っていた郭開が、どんな顔をして李牧に依頼を出すのかは見ものではありますね
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